ライフルと狙撃手
今日はちょっと真面目なお仕事の話。
今、会社でHCD(人間中心設計)の産学協同研究というか、まぁサービスにちゃんと活かしてこうよ!みたいな流れがあるんですが、チームで喧々諤々やったので、ちょっとまとめてみる。HCDについては、リンク先みるといいと思う。(そして興味ない人はここで読むのをやめるの奨励)
■Webは単純にHCDできるの?
実はHCDの流れって1980年代から興っているので、Webとかほぼ存在しない時代から行われてるんですね。
例えば電化製品とかって、一回リリースしてしまって「あ、これ狙いと外れたわ」ってなると、回収できないし、やるとしても莫大なコストがかかる。製品のライフサイクルも、Webと比べると圧倒的に長い。なので、その代わり商品企画やR&Dにかなり長い時間を費やせる。ミスった時のリスクが非常に高いので。
が、Webはそれがない。とりあえずリリースしてみて、マズったらすぐにアップデートかけることもできる。その方が早いんじゃないの?という話がまずある。
そもそも、HCDでの成功例というのは殆どがリアルで触れられるプロダクトで、Webでは爆発的に流行ったサービスでHCDみたいなプロセスが行われてるかというと、ただの思いつきでやったサービスが流行ってたりするんですね。
■でもHCDした方が納得感あるよね?
そもそもHCDの大きな問題として、人的・金銭的・時間的コストが非常にかかる。
ペルソナつくって、そのペルソナ像の人たちにインタビューして、プロトタイプ作って、またインタビューして、プロトタイプ修正して、インタビューして、(なんどか繰り返して)最終的にプロダクトを作っていく。これ、普通に全部真面目にやろうとすると、数百~千万単位の金がかかる。が、Webを作ってる会社って、サービスひとつ作る時にそんなコストかけてられない。
そもそもWebは短期間、低コストで作れるから参入障壁が低く、中小の会社でもやっていけるのであって。
■そもそもWebでHCDの成功例あるの?
個人的には最近上場したCookpadが近いかなーと。ひとつのサービスコンセプトから決してブラさず、定性・定量的調査を徹底的に行って、改善して行く、という。Cookpadは1つのサービスで10年近くかけてようやく上場してるので、こういうお客さまの声を聞いて、ひたすらコツコツ系のサービスが儲かり始めたので、鉄の意思をもつ経営者の会社なら、HCDは可能だと思う。
■でも実際のWebサービス企画って・・・
ありえない速度でプランニングを求められたりするし、有無を言わさずトップダウンで施策がおりてくることもある。
数日でサイト導線変えたり、重要サービスのリニューアル企画を求められるので、上述のようなプロセス踏んでたら、数カ月単位でリサーチのみでかかる。まず経営者の求めるようなスピード感での仕事はできない。
だから、サービスにHCDを実用レベルで使うのであれば、定常的にやっていかないといけない。
■その予算ってどこにつくんです?
定常的にやるとなると、いわゆるR&Dに常時コストをかけ続けるような
・会社の規模感がある
・既に成功している事業を持っている
・経営者がそれを決済する余裕を持っている
・HCDでの成功体験がある
っていう結構稀な環境が必要。特に、経営者がこれに効果を見出して、常にお金を出すことを認め続けるのって結構大変。Yahoo!、楽天レベルの規模が必要。
■結局普通のWebの会社では導入できない?
とは言ってないんですが、まずHCDでの「仕組みを入れること」を考えてもダメだと感じているわけです。
成功例を作らないことには結局決済も下りないので、一部の高くモチベートされたプロジェクトメンバー草の根活動を身を削ってやるしかないのかしら、極論、という。で、その成功体験を社内でキチンと共有すると。
根本の仕組みだけを持ち込んでも、仕組みをいれることに満足したり、言葉だけを使ってそれで満足する人間が大量に溢れるので(字面カッコいいしね)、実務ベースで文化を根付かせないといかんよね。仕組みは一番最後でいい。
メソッドは「理解」することなんてどうでもよくて、「実践」しないと全く意味ないので。
■お前はどっち派?
僕はHCDとか比較的どうでもいいと思っている人で(・・・)、どちらかというと自分の信じる面白い企画をまずは立ててその後、
・自分の企画は正しい、と思い込むため
・上司や他人を説得するため
・迷った時の判断材料にするため
に使うのは全然ありかな派です。道具を中心にしてサービスを考えても、結局お客様には届かないかなぁと。道具=ライフルが高性能でも、狙撃手=企画者があてようと思わないと、結局はあたらないんだよね、っていう。
あと、トータルで考えるとハイコストだとしても、一部分だけを導入したりとか要素分解して導入したりっていうのが、まずはStep1としてはいいかな、と。
結局のところ、まずはこれ以前に企画者がマインドをもってサービスを作らないとだめだよね、っていうお話。
あ、シャレだとか思いつきも重要だと思います。企画者は自分を盲信できるのは、それなりに必要な才能かなーと。
お腹減ってきたのでもう終わり!

















